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OS-Virtualization があれば ATM ハードウエアのアップグレードはもう必要ありません

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概 要

2020年1月に Windows 7 のサポートは終了し、 Windows 10 にアップグレードする必要があります。この移行は,ATM のソフトウエアとハードウエアのアップグレードのコストと複雑という大きな課題を銀行にもたらします

2014年の Windows XP からWindows 7 への移行はグローバル業界に数千億円の出費をもたらしました。なぜなら ATM のオペレーティングシステムのアップグレードはハードウエアのアップグレードを意味するからです。銀行は Windows 10 へのアップグレードの際に再び全く同様の問題に直面しようとしています。

しかし、ここに一つの答えがあります。それは、OS-Virtualization です。これはハイパーバイザーとして知られる技術を用いてハードウエア基板ををオペレーティングシステムから分離するもので、それによって Windows 10 でサポートされていないソフトウエアドライバーであってもハイパーバイザーソフトウエアにてサポートされることが可能となります。

ハイパーバイザー技術は ATM が Windows 10 に移行するときに現在のハードウエアをアップグレード する必要性をなくすだけでなく、全世界で2万という銀行によるソフトウエアとハードウエアへの投資だけでなく、PCI (プロトコル制御情報) の準拠の課題からも解放します。

この技術は WIndows 10 への移行時に重要であるだけでなく、将来、 Windows 10 において、さらに頻繁に起こりえるハードウエアのアップグレードを必要とする で要求される長期サービスチャンネル (LTSC) ソフトウエアを管理する際にも重要となります。

詳細はこのホワイトペーパーをご覧ください。

はじめに

ATM は50年以上存在してきておりますが、その期間、ゆっくりと変化してきました。

最初の20年間、ATM のアーキテクチャーは ATM 製造会社の独自のもので、ハードウエアとソフトウエアは同じメーカーが供給していました。最初の変革は1990年頃に IBM の OS2 が、 ATM のためのオペレーティングシステムとして採用され、ATM   というブラックボックスに標準オペレーティングシステムが少し採用された時でした。その後OS2 が衰退しWindows がそれに取って代わり、最初に Windows NT、続いて Windows 2000、Windows XP、Windows 7 そして現在 Windows 10 が標準オペレーティング環境となってきました。世界の銀行で  使用される ATM は現在、いずれかのバージョンの WIndows で稼働しています。

第2の変革は 2000 年あたりに XFS 標準の導入で始まりました。現金払い出し機やカードリーダーなどの ATM の内部の特定のハードウエアデバイスはCEN XFS 標準で構築された標準ソフトウエアド

ライバーを採用し始めました。このことがソフトウエア   アプリケーションをハードウエアから分離し、マルチベンダーソフトウエア時代の幕開けとなり、

我々は今もう一つの変革の幕開けにいます。

OS-Virtualization  で業界の主な課題を解決します。

今日に至るまで、ATM のオペレーティングシステムが大きなバージョンアップグレード(例えば 2014 年の Windows XP から Windows 7 への)を必要とする際、ハードウエアもまたアップグレードを 必要としてきました。グローバルにおける業界の出費は膨大なものでした。世界中の数百万台の ATM のアップ グレードに数千億円の費用を必要としました。

もう一度お知らせします。2020 年までにWindows 7 のサポートが終了し、Windows 10 にアップグレードする新しいサイクルがやって来ます。    当然のこととして、銀行は再び ATM のアップグレードに数千億円以上の出費は大きな懸念となっております。

アップグレードにおける課題

2014 年は ATM を持つ銀行にとって悪夢の年でした。Microsoft が XP のサポートを打ち切ったとき、銀行には ATM を Windows 7 にアップグレードする以外にほとんど選択の余地がありませんでした。

Microsoft にとって ATM 業界は小さなものです。世界中で300万台を超える ATM は世界中で20億台以上の PC とは比較にならないものです。PC ユーザーには、PC のアップグレードを遅らせるか、比較的低コストのマザーボードのアップグレードを購入するかの選択が常にありますが、その様なオプションは、銀行がATM に適用できるものではありません。ATM のマザーボードのアップグレードは少なくとも40万円と高価で、さらに全国に設置されている ATM のアップグレード熟練技術者を派遣するためには10万円ほど掛かります。

銀行は ATM を 10 年あるいはそれ以上保有するので、古いモデルの多くはアップグレードが容易でなく、置き換えが必要となりますす。新しい ATM の購入にはその機能によって100万円から300万円のコ ストが掛かり、さらにはロンドン、ニューヨーク、な どの人通りの多い場所での壁に埋め込まれているタイプの

ATM を物理的に交換するコストは法外な金額となります。ATM オペレーティングシステムのアップグレードは、顧客に何ら直接の利益をもたらすものではなく、 単に標準準拠のための膨大なコストとなっています。

ATM は規制の対象となることがあります。

それは特に PCI が、ATM を稼働するために必要な多くのアジアの銀行がこのリスクを無視してきました。アメリカと欧州の銀行は非常に実直にその 道を選ばずその ATM のネットワークをアップグレードしました。しかし、多くの銀行はアップグレードのサイクルは停止するべきだと公言してきました。

しかし、2020年が近づくにつれ、銀行は再び同じアップグレードの苦境にあると認識しています。Microsoft は Windows 7 へのサポートを打ち切りつつあり、銀行はその ATM ネットワークをWindows 10.にアップグレードしなければならなくなってきております

事実、 Windows 10.以降は更に悪くなりかねません。Microsoft は Windows 10 が「最後の」Windows となるだろうと発表しています。Windows 11 または Windows 12 はもうないだろうということです。このことは Windows 10 以後はアップグレードのジレンマがなくなることを意味す るでしょうか?アップグレードの終焉を宣言する新聞記事もありました。しかし、不幸なことに、現実は全く逆です。

Windows の新しい戦略では OS のアップグレードと強化が以前にも増して起こります。主要なアップグレ ードは「LTSC」すなわち長期サービスチャンネルの形 で到来します。Microsoft は LTSC を将来3年ご とに発行することを計画しています。このことは ATM ハードウエアも3年ごとにアップグレードが必要となると いうことを意味するでしょうか?端的に言えば、「イエス」です。

我々は今までどうしてきたか?

Microsoft に対して彼らのソフトウエアをあまりにも頻繁に更新するまたそのオペレーティングシステムを充分長くサポートしていないという多くの批判があります 、しかし世界のソフトウエア業界がどこに向かおうと しているかも考えなければなりません。

DevOps の概念と自動化されたテストにおける進歩は、ソフトウエアリリースのサイクルが常に早くなってきていることを意味しています。実際、毎日のリリースでさえソフトウエア業界のある部分においては異常ではありません。。したがって Microsoft が Windows の更新サイクルを7年ごとに固定できないのは明らかです。実際、ATM のために推奨された Windows 10 のLTSC チャンネル は Microsoft の Windows リリースサイクルで最も遅いものとなるでしょう。一般にビジネス向け Windows は SAC(semi-annual channel 半期チャネル)で、その更新はずっと早く(6ヵ月ごと)、 Microsoft はそれらの更新を実施することを要求します。SAC はしたがって ATM には適切なものとは言えません。

これらの速いアップグレードサイクルは Wintel の協調体制に大変なストレスを引き起こします。Microsoft は新規 OS の更新に関しては古いハードウエアの対応を行なっていきますが、その逆はそうではありません。ハードウエアコンポーネントベンダーは、古いソフトウエアドライバーのドライバー開発を終了した後でよく訪れる Windows の新規リリースをサポートする為に古いソフトウエアドライバーを更新することにはあまり関心を持っていません。( Microsoft もここでは全く同じです―彼等もまた古い OS で新しいハードウエアをサポートすることはしません)。

このことが OS アップグレードでのサポート問題を引き起こします。Intel のチップセットドライバーのようなソフトウエアドライバーはチップセットの発売の際に入手される OS のバージョンのみをサポートしますが―チップセットドライバーの開発が完了した後に度々リリースされる新 しい OS についてはそうではありません。

Intel はどのチップセットにも最大で2つの LTSC をサポートすると明言しています。Microsoft から新しい LTSC が到着する頻度に応じて、このこと は ATM ハードウエアの寿命を制限します。事実、Microsoft が当初 Windows 10 のLTSC を発表した時、その計画は 12 から 18 ヵ月ごとに LTSC をリリースするというものでしたが、一方では Intel はチップセットについて 1 つの LTSC のみをサポートするつもりであると明言しています。その後ポリシ ーは変更されたようで、 Microsoft は LTSC 当たり 3 年のリリースサイクルとし、Intel もチップセット当たり 2 つの LTSC をサポートすることに同意しました。これまでにリリースされた LTSC は「1507, 1607, 1809 and 19H1」です。これらの名前は実際 Microsoft がリリースした日付で、すなわち 2015 年 7 月、2016 年 7 月、2018 年 9 月そして 2019 年上半期でした。したがって 3 年ごとという約束よりずいぶん早く到来しました。

お分かりのように、この状況は ATM 業界にとって大きな悩みの種です。将来におけるアップグレードサイクルは 6 年ごととも見受けられますが、 LTSC およびそれらのサポートが将来どう展開するかによって、簡単に 12 ヵ月の短期にもなり得ます。根本的な原因は、ソフトウェアサイクルが速くなるにつれて、サポートチェーンのハードウェアベンダのいずれもが、古いハードウ ェアコンポーネントとドライバで新しい OS リリースをサポートすることを望んでいないことです。 彼等には将来の OS のリリースと統合するために古いソフトウェアドライバの開発を再開する意図はありません。

どうすればいいのか

銀行は通常に10年期間でATMを使用するが、多くの銀行はそれによりさらに長期間でATMを使用します、多くの銀行はその ATM をさらにそれより長く稼働しようとしています。実際、 ATM ハードウエアの維持管理は航空機同様に PCの維持管理 より長くできるのです。航空機は数十年間使用されますが、その期間に亘ってハードウエア要素の多くは複数回変わるので、お そらく機体だけが30年使われています。

同様に、15年使われた ATM はおそらくカードリーダーが複数回交換され、現金払い出し機と PC コアもまたその寿命を越えています。しかし、注意しなければならないのは、オペレーティングシステムです。もし OS が Microsoft が定期的にアップグレードする毎に変更されるとすると、マザーボードもまた OS と共にアップグレードされる必要があります。これは銀行にとって相当なコストになります。代替え案はサポートされていない OS で稼働することで、 PCI に準拠していないリスクがありそれと共にマルウエア(そしてセキュリティーに対するマスコミの酷評)のような現実のセキュリティ上のリスクを伴います。

他の解決策はありますか?KAL は2014年からこの問題に注目しており、種々のオプションを評価し、根本原因を理 解することに努めてきました、そしてどの扉が長期ソリューションとなりえる可能性があるかを評価してまいりました。

対応策は?...

ATM はアップグレード可能ですか?いいえ。

当社が検討したオプションは ATM の PC コアを「アップグレード可能」にできないかということでした。

PC コアのアップグレードが DVD プレイヤーの中の DVD を交換するほどに簡単になるというシナリオを想像できますか?実際、「  Intel はその カード」でこのタイプの概念をサポートしています。そ れは簡単に交換できるクレジットカードサイズの PC コアです。しかしながら、このことは世界中   の ATM の大規模な再設計を必要とし、さらに現場において比較的費用がかかるハードウエアの交換が必要となるでしょう。

全くアップグレードをしない? いいえ。

一部のアジアの銀行においては現在未だに Windows XP で走る ATM が相当数あります。単に OS のアップグレードを行わず、ATM で Windows XP を稼働し続けるオプションは明らかにリスクのある戦略です。サポートされていないソフ   トウエアを稼働して PCI に準拠しないだけでなく、サポートされてないOS の虚弱性は 犯罪組織に悪用され、銀行とその顧客を潜在的なマルウエアやサイバー攻撃に銀行とその顧客をされさせます。。。これはオプションと考えるべき   ではありません。

また一方で、 Windows 10 やその後の LTSC のリリースを将来サポートできるであろうATMを”アップグレードしない“という代替え案があります。

  • 新しい Windows 10 LTSC が到着したときに、それは2019年の ATM 上で稼働することができません。すなわち10年間の存続期間全てにおいて、ATM は当初の LTSC を稼働する必要があるだろうということです。
  • さて毎年の ATM の交換サイクルを考えてみましょう。一例として、世界中に1万台の ATM をもつ大きな銀行が ATM の年齢によってその資産の 10% を毎年交換するとしましょう。毎年その銀行は1000 台の新しい ATM を購入しそれは Microsoft からの最新の LTSC と Intel からのその時点のチップセットで提供されます。例えば、2023年に、LTSC 23XX を受取ります。新しい ATM は LTSC 23XX で稼働しますが、2019年に変更された古い ATM は LTSC 1809 でのみ稼働します。10年後、 ATM ネットワークはおそらく10の異なった LTSC とチップセットの組合せは異なった OS のバージョンと異なった機能特性で稼働しています。各々のATMは10年間サポートされているソフトウェアスタックを保持しておりますが、これは LTSC が到着したときに OS をアップグレードしないことで達成され、ネットワーク全体で潜在的に多くの異  なる OS バージョンを持つ断片化ネットワークになります。これはほとんどの銀行にとって維持できないシナリオとなるでしょう。

ATM向けにIntel のサポート戦略を変更? いいえ。

KAL の最高経営責任者 Aravinda Korala とATMIA の最高経営責任者 Mike Lee が Intel と一連の会談を行い、Intel が ATM 業界のためにそのチップセットドライバーのための特別なサポート体  制を考慮することに理解を求めました。

その会談は Intel の取引販売部門の部長であるOania Wei と Alec Gefrides によって進められました。我々は、

ATM 業界のための Intel ドライバーや、ATMIAに古いドライバーのソースコードを ライセ ンスする特別な長期有償サポートのような概念について模索しました。

最終的に、 Intel にとって、 ATM は小さな業界で提案したオプションのいずれも妥当でないことが明確になりました。しかし、 Intel は「Linux を再度検討してみては」と言って KAL を 当時インテルの系列会社であったLinux の販売会社である Wind River に紹介しました。

ATM を Linux に移行??いいえ。

Linux は ATM にとって非常に長い間一つのオプションでした。ATM で Linux を動作させた成功例が、ブラジルにおいて、ブラジルで製造された ATM を用いてありましたーしかし他にはどこにもありませんでした。

世界の ATM 業界は世界中で約350万台という比較的小さな市場です。Linux と Windows の両方で細分化した市場をサポートすることはベンダーにとって商業的に現実的ではありませんでした。世界中に約2万の銀行がある事を考えてみてください。ATM にどの OS を採用するかという決定は基本的に銀行によって行われ、べンダーがすることではありません。銀行は、指針を持たないOSを、その内部ネットワークに接続することを、許可しないでしょう。

2万の銀行に ATM に OS として Linux を受け入れる気にさせるのにどれほどの時間がかかります でしょうか?その回答は推測できるでしょう。完全な Linuxスタックへ移行するいかなるビジネス事例も非常に長期間の市場分裂に対処する必要があるでしょう。その結果としては主な ATM 製造会社の誰もが、そのような移行期を通して、ATM に Linux と Windows の両方をサポートする投資を進んで行おうという者は今までのところいないということです。XFS ドライバーは製造社によって管理されるとして、もしこれらのドライバが Linux に移植されていない場合、どんなに潤沢なソフトウェアベンダの研究開発費用をもったとしても、どのソフトウェアベンダも ATM 上で Linux アプリケーションを実行することは不可能と思われます。

では一体なぜ Linux を考えるのですか?Linux はサポートの行きづまりを打開しうる、とりわけ便利なひとつの機能を持っています。。Intelのチップセットドライバーを含めて、全ての Linux のスフトウエアドライバーは、

Linux のもとではオープンソースになります。。つまり、Linux エコシステムのWind River や Red Hat などの企業はそのソースコードにアクセスし、商業ベースでサポートを提供できるということです。これは銀行の PCI 問題を解決するでしょう。

しかしそれでも世界中の何千にもなる銀行の ATM ソフトウエアの全てを Windows から Linux へ移行する費用の課題が残ります。

ソリューションーの発見

Linux は長期的なソフトウェアサポートの問題を解決することを可能としますが、銀行は Windows 上で動作する ATM ソフトウェアに何千億円もの投資をしてきたという点で、Windows と比較して大きな不利な点があります。この移行の費用は膨大となるでしょう。

財政的な問題に加え、技術的な困難もあります。

ATM は、Windowsへのみ組み込まれた XFS 標準を用いたハードウエアドライバーを持っています。たとえもし銀行がそのソフトウエアスタックを Linux へ移行することを望んだとしても、ハードウエアサプライヤーが彼らの XFS ドライバーを Linux に移行することを望まない限りそれは実現しません。 今のところ、主要ベンダーからATM 用に 開発されたLinux向けのドライバーは存在しません。

それでは Linux と Windows の長所を結びつける方法はあるでしょうか?

KAL は2017年半ばから Wind River とこの問題について検討してきました。KAL チームはAravinda Korala と Kit Patterson が率い、Wind River チームは Kevin Konkos とDavide Ricci が率いていました。私達が行き着いた回答は、Windows10のホストに対して Linux ハイパーバイザーを用いるというものでした。

Linux は QEMU と呼ばれる ハイパーバイザー技術をサポートしています。QEMU は KVM と連携して動作し、Linux でサポートされている仮想化ハードウェアアクセラレーション を活用し

Linux のゲスト OS として動作することをWindows 10 へインターフェイスとし示すことができます。、動作します。マザーボード用のハードウェアドライバはLinux カーネルから来ますが、アプリケーション環境は Windows で動作します。QEMU、KVM、および Linux ドライバのサポートは、Linux コミュニティ、および Red Hat やWind River などの企業から提供されます。したがって、Linux に関しましては、取引条件が Linux 企業にとって正しく機能するのであれば、どのような期間でもサポートさ れます。

Windows は Linux の上に位置し、Microsoft と銀行が望むだけの頻度で更新することができます。

そして、そのすべては、ATM の現地訪問なく、リモートでオンラインで行えます。これはアップグレードの 難問を解決します。これにより、Windows や LTSC のアップグレードによる強制的なハードウェアのアップグレードは必要がなくなり、銀行は 完全に最新の状態を保つことが可能で、すべてのソフトウェアの最新バージョンを動作可能です。。ついに強制的なハードウェアアップグレードサイクルから解放されます。

どのように機能するか

ハイパーバイザーと仮想化とは何ですか?

仮想化は新しくはない概念です。1960 年代にまでさかのぼりますが、メインフレーム上に仮想マシンと仮想化環境を最初に作成したのはIBMになります。そして今、世界中のほぼすべてのデータセンターで広く使用されています。

ハイパーバイザーを使用すると、複数のオペレーティングシステムを同じハードウェアサーバー上で実行できます。一つもっともよく知られているのは VMware からのハイパーバイザーです。世界的なデータセンターは、VMware、Red Hat などのハイパーバイザーを実行して、ハードウェアをオペレーティング環境から分離して います。

たとえば、VMware ホスト OS 上のゲストオペレーティングシステムとして Windows XP と Windows 7 を同時に実行することさえ可能です。また、ハイパー バイザーを使用するとサーバーをリモートから制御および管理することもできます。実行中のシステムは、その流れの中で停止し、

新しいハードウェアサーバーに移動、そしてあたかもその間に何事もなかったかのように停止 したところから再開させる事が可能です。

Intel と AMD のハードウエアの仮想化

当初、仮想化は単にソフトウエアの技術 にすぎませんでした。それはソフトウエアのエミュレーションによってゲスト OS がホスト OS 上で動作を可能にするものでした。しかし、ハードウェアにアクセスするコマンドをある OS から別の OS にエミュレートしたり変換したりする試みはコストがかかり、システムをかなり遅くしました。

そして2005年頃、 Intel と AMD はハードウエア仮想化サポート

を彼らの新しい CPU に組み込みました。Intel VT-x および AMD-V と呼ばれるこれらのテクノロジーは、ゲスト OS の実行可能ファイルを CPU 上でネイティブに実行でき、そしてまシステムコールを得ることで、正しい OS で処理できます。その結果、ゲスト OS のアプリケーションソフトウェアは、パフォーマンスにはっきりとした影響を与えずに、まるで CPU 全体を占有しているかのように動作します。

KAL のテストでは、Windows と Linux の両方を実行している仮想化 ATM のパフォーマンスへの影響は、仮想化なしで同じハードウェア上で Windows をネイティブに実行した場合と比較して、わずか約 2%程度でした。それは本当にすごい性能です。

下の図は、OS 仮想化テクノロジーを備えた ATM の内部での新しい ATM ソフトウェアアーキテクチャの概観を示しています。

 

osv diagram

 

ハイパーバイザーはベアメタル PC コアで動作し、Windows 10 はハイパーバイザー上のゲストオペレーティングシステムとして動作し、アプリケーションソフ トウェアは ,ハードウェアベンダーの XFS SP と連動して、Windows 仮想マシン内で動作します。

仮想化 ATM ソリューションはどのようなもの

概念的には、仮想化ソフトウェアソリューションは、今 日のソフトウェアスタックとまったく同じように見えますが、Windows とハードウェアの間にハイパーバイザーが追加されています。しかし、実際の解決策を実装することは,もちろんそう容易ではありません。必要条件から始めましょう。

仮想化 ATM ソリューションの必要条件

ハイパーバイザーは、ソフトウェアエミュレーションによって仮想化をサポートする組み込みハードウェアを持たないATM 上で実行できますが、実運用には遅すぎる可能性があります。そこで、以下に ATM の仮想化のための必要条件をリストします。

  1. 最初の要件はインテルマザーボードに関する「VT-x」とAMDマザーボードに関する「AMD-V」です。になります。これらのハードウェア機能を備えた CPU は 2006 年頃に登場し始めたので、それより古い ATM はパフォーマンスを大幅に低下させずに仮想化をサポートすることはできません。また、ATM ハードウェアベンダが古い在庫の CPU を長期間にわたって使用していたため、おそらくこれらの機能を備えた ATM は 2006 年以降しばらく登場しなかった可能性が あるので、仮想化の利用開始は 2006 年以降のある時点になります。

  2. それをサポートする CPU の仮想化機能は、BIOS 設定によって有効にすることができます。これには、この設定を変更するための現場訪問が必要 になり、ハイパーバイザーソリューションの実装にコス トがかかります。一部の ATM ハードウェアベンダーは、リモートで使用できる BIOS 管理ツールを持っています。KAL は、まず BIOS 設定をテストし、次にその設定をリモートで変更して仮想化を有効にするというオプションを推奨します。最近の ATM では、おそらくこのオプションがデフォルトですでに有効になっています。

  3. 次に、銀行はハイパーバイザーのベンダーを選択す る必要があります。ATM 業界を支援することに、Red Hat、VMware、および Wind River の 3 社がすでに関心を示しています。KAL は 3 社すべてのハイパーバイザーをテストしており、それらがすべて機能すること を確認できます。Microsoft もまた Hyper-V と呼ぶハイパーバイザーを持っており、それは Windows の標準部分にあり理論的には動作するはずですが、Windows 自体にもある同じ難点になやまされてます。ドライバのソースコードは Windows のサードパーティ製のデバイスドライバでは利用できないため、Hyper-V でサポートされていないドライバは、マイクロソフトまたは他の誰かによってサポート される方法がありません。

  4. 最後に、銀行は ATM ハードウェアとソフトウェアのベンダーがそのソフトウェアアプリケーションとドライバを 仮想化環境でサポートをするか確かめる必要があります。たと えば、ATM ソフトウェアベンダが KAL の場合、KAL が仮想化環境をサポートしていることを確認する必要があります KALはサポートしてます)。また、ATM ハードウェアベンダが仮想化環境で XFS SP をサポートすることを確認する必要があります。銀行は、仮想化サポートが将来の全ての銀 行の RFP に確実に組み込まれるようにする必要があります。それは 2000 年に XFS1 で起こったことです。銀行はすべてのベンダーからの XFS サポートを義務付け、ATM の世界を変えました*。

 

*中国における興味ある事例。このホワイトペーパーの著者である Aravinda Korala と KAL の Wenbin Hu が XFS 標準のニュースを中国の銀行に向けて発表した 2001 年、誰もそれを聞いたことがありませんでした。Aravinda と Wenbin は中国で XFS を広め、ベンダーと銀行がそれを採用するよう奨励し、中国で KAL の Kalignite プラットフォームと XFS シミュレータを市場に出しました。XFS シミュレータは、私たちの許可を得て(そしてしばしば許可なしに)広くコピーされていて、かつ XFS 準拠のソフトウェアが稼働している 100 万台の ATM からなる現在の中国の ATM ネットワークを構築するための手段でした。これは中国の話だけではありません、でも世界中の銀行が 2000 年頃から XFS の使用を義務付け始めたため、すべてのベンダ(ハードウェアベンダ、ソフトウェアベンダ)が XFS をロードマップに追加することが不可欠になりました。同様のことが OSの 仮想化に今、起ころうとしています。

準備はできていますか?

実は、まだです。必要条件を満たすだけではまだ 十分ではないのです。銀行は実装プロジェクトを 完了させる必要があります。

  1. OSが仮想化されても、現在のソリューションの受け入れテストに使用されたすべてのテストスクリプトが引き続き機能することを確認するために、新しいハイパーバイザーソリューションをテストする必要があります。。それはそうすべきです。。
  2. ATM セキュリティのロックダウンを再検討する必要があります。新しい環境はセキュリティの範囲を変えます – そしてハイパーバイザとさらに Windows 環境をロックダウンする必要があります。
  3. ATM 監視システムを再検討する必要があります。理想的には、ハイパーバイザーソフトウェアもシステム の他の部分とともに監視する必要があります。
  4. 銀行はソフトウェア配布の仕組みを見直す必要 があります。理想的には、技術者を ATM に派遣する必要なしに、リモートソフトウェア配布で完 全に切り替えが行われるべきです。ソフトウェア配布 システムは,ハイパ ーバイザソフトウェア, さらに、Windows およびアプリケーションへのパッチやアップデートを、理想的には全てオンラインで配布される必要があります。(または DVD によるのが唯一の手段である場合は DVD 経由)。


銀行がこれらのステップを完了すれば、彼らは稼働す る準備ができています。

KAL はすでに準備ができています。

長期サポート戦略

銀行がサポート契約を結ぶ必要がある ATM ソフトウェアスタックには、追加のソフトウェアコンポーネントがあります。ハイパーバイザーのサポートがリストに追加されていることを確認する必要があります。以下がハイパーバイザーベンダーからの必要なものです。

  • ATM ハードウェアを長期的にサポートする約束 – それ以上でなければ少なくとも 10 年。

  • Linux でのマザーボードのデバイスドライバのサポート。それらは、ハードウェア用の Windows でのサードパーティ製ソフトウェアドライバが新しいLTSC でメンテナンスから外れるため、仮想化を介して Linux オープンソースドライバを使用してそれらを置き換えることができます。

  • ハイパーバイザーベンダーが提供できる限りの Intel および AMD チップセットをサポートして、ネットワーク上の古い ATM をサポートできるようにする。

  • 先に指摘したように、古いハードウェアに対する潜在的なソフトウェアドライバ関連の問題に注 意しながら、Microsoft からの将来の LTSC が到来した際のサポート。

理想的には、ATM 業界は、世界中のすべての ATM マザーボードモデルをサポートするために、各ベンダーから単一のグローバルハイパーバイザーリリースを必要とします。

結論と今後の方向

仮想化は、Windows OS のアップグレードと PC コアハードウェアのアップグレードとの関連性を打破することで、ATM の設置者にとっての困難を解決します。それは OS とハードウェアを別々にアップグレードすることを可能にし、それによって 2020 年に Windows 7 がサポートから外れたときに引き起こされる ATM ネットワークへの大きな混乱を取り除きます。

2 つのハイパーバイザーベンダーと共に KAL の仮想化の概念をテストした世界で最初の銀行は、米国の 銀行でした。仮想化環境で銀行の現在のソフトウェ アスタックを稼働させる能力は、数日間の実証実験で証明されました。

KAL とこのコンセプトをテストした最初のヨーロッパの銀行は、チェコ共和国の Česká spořitelna でした。JiříCharousek はすぐにこのテクノロジを理解し、最初のテストを手配し設定しました。Jiří は次のように述べました「XP-W7 のアップグレード後すぐにハードウェアをアップグレードしなければならないことを心配していました。仮想化によって別の選択肢が提供されることを大変嬉しく思います。ATM 仮想化は、インフラストラクチャ領域内の長期的な Česká の概念に基づいているため、私たちにとって非常に自然な アイデアです –仮想化はすでに私たちの戦略であり、ATM は例外でした。」

この概念は、ハードウェアベンダにとっても恩恵です。 彼らはしばしば大量にマザーボードとチップセットを購 入した後、新しい OS のアップグレードによって彼らの古いハードウェアの在庫が昔になることに気づきます。。仮想化がマザーボードとオペレーティン グシステムの間の密接なつながりを断ち切るので、KAL はこれが ATM 製造業者のコストも節約すると信じています。

新しいオペレーティングシステムをサポートするために多くの ATM を継続的にアップグレードしなければならず、コストがかかり、費用、時間がかかる銀 行のプロセスを排除するための方法を、OS 仮想化は提供します。それは、ハードウェアをアップグレードする必要性を永久になくすものではありません。しかし、 OS のアップデートのために ATM をアップグレードする必要性をなくすことができます。銀行はそ れでも PC コアが古すぎる、または遅すぎる、または将来の CPU 機能を使用して顧客に 刺激的な新しいサービスを提供したいという理由で、PC コアをアップグレードする必要があります。それがハードウェアをアップグレードする良い理由 であることに,銀行は同意するでしょう。

ここから先は、銀行が ATM ソフトウェアと ATM ハードウェアのすべての RFP(提案依頼書) で仮想化サポートを要求することがもっとも重要になります。

謝辞

多くの人々がこのコンセプトの構築とそれが本当にうまくいくという確認に貢献いただきました。KAL は、このソリューションにたどり着く手助け頂いた方々に、とても感謝します。

  • ATMIA: Mike Lee
  • Citibank: Peter Kulik
  • Česká: Jiří Charousek
  • Intel: Oania Wei
  • KAL: Kit Patterson, Andrea Vinci, Giuseppe Scardino
  • Microsoft: Pat Telford
  • Payment Redesign: Eric de Putter
  • Red Hat: David Hutchison-Bird, Daniel Schaefer, Rich Feldman
  • VMWare: Thomas Klouwer
  • Wind River: Davide Ricci, Rick Anderson, Kevin Konkos
  • 翻訳者:Yoshi Sato、Seishi Nakano

追加情報

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